輝星が1位筆頭に急浮上だ! 阪神が今夏の甲子園で準優勝した金足農(秋田)の吉田輝星投手(3年)をドラフト1位候補にリストアップし、指名を本格検討することが5日、分かった。吉田のプロ志望届提出決断が判明し、谷本球団副社長兼球団本部長が「金本監督も気に入っていた。1位候補になる」と明言した。来季は金本阪神勝負の4年目。100回大会を沸かせた最速152キロ右腕が、救世主になるかも知れない。

みちのく秋田からの一報に触れた阪神谷本球団副社長兼球団本部長は率直な気持ちが口を突いた。開口一番「楽しみですね」と声をはずませた。今夏の甲子園を沸かせた金足農・吉田がこの日、プロ志望届を提出した。来季、チームの立て直しを図る阪神も敏感に反応した。谷本副社長は期待感たっぷりに称賛した。

「金本監督も気に入っていたと思います。ああいう力投型の投手を。下半身がしっかりしてそうですね。力強い球を投げています。変化球のキレに磨きをかけたらもっといい投手になります」

最速152キロの剛腕を誇り、馬力もある。秋田大会から夏の甲子園まで10試合連続完投の鉄腕だ。金本監督は常々、速球派のパワーアームを高評価しており、まさにお眼鏡にかなう逸材だろう。谷本副社長は続ける。「プロ志望届が出ればリストに入れて考えようと下打ち合わせしていました」と説明。10月中旬にもスカウトが一堂に会し“吉田会議”を開催する予定だ。

阪神にとって、ドラフト1位候補の最右翼に急浮上する予感が漂う。今季は投手陣が苦戦したことから、即戦力投手の最上位での指名を検討してきた。9月には谷本副社長自ら東洋大・上茶谷大河投手(4年=京都学園)を視察したほか、同僚の甲斐野央投手(4年=東洋大姫路)や梅津晃大投手(4年仙台育英)、日体大・松本航投手(4年=明石商)らも候補。大学生の好投手に堂々割って入り、谷本副社長は「1位候補になります」と断言した。

即戦力投手を求める阪神のニーズに合致するのが、何よりの魅力だ。谷本副社長が「すぐ出てくるんじゃないかという評価です。高校野球を見たときは」と明かすように、高校生ながら即戦力の評価を与える。25日のドラフト会議を控え、今後、1位候補を絞り込んでいく。

野手では大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)を筆頭に、同僚の藤原恭大外野手(3年)らも評価しているが、吉田も有力候補に挙がった。胸すくストレートを聖地で見られるか。甲子園の「1番星」として輝くのか、今後の動向に注目が集まる。【酒井俊作】