DeNAアレックス・ラミレス監督(44)の来季続投が10日、正式に決定した。今季最終戦の阪神戦(甲子園)後に、南場智子オーナー(56)から直接要請され、受諾した。就任3年目で初のBクラスに終わった同監督はコーチ陣とのコミュニケーション不足を猛省。自らが変わることでチームに変革をもたらし、4年目となる来季こそ悲願の優勝を勝ち取ることを約束した。

ラミレス監督は想像していなかった。柔和な表情で語りかける南場オーナーの続投要請に、かたくなだった自分がガラガラと崩れた。「もっとこうした方がいいとか、おっしゃると思ったが…」。感謝と同時に自らを見つめ直した。67勝74敗2分け、借金7で順位4位。いずれも就任後、最低の数字だ。「監督としてチームを1つにして目標を達成することができなかった」と猛省を口にした。

1年を振り返り、赤裸々に語った。「すべての決断を私がしてきたがゆえに、コーチを生かし切れなかった。コーチと私の間にギャップがあった。コミュニケーション不足はあったと思う。私自身が変わらないといけない」。就任3年目。ラインアップも継投も自分で決断し、コーチ陣からの助言に耳を貸さない自分がいた。「コーチの方々に対しても僕が責任を持たないといけない。特に(バッテリーコーチの)光山さんは自らチームを去る。捕手に関して僕が決断してきたが、彼の能力を発揮させることができなかった」。信頼を置いていたコーチが去ることに胸を痛めた。

開幕から安定感を欠いた先発陣が最後まで尾を引いたが、オーナーが自分を信じてくれたように、現有戦力を信頼する。「投手陣がよくないので他から補強するということはない。今いる選手が向上すれば必ずいいチームになる」。1人10勝を期待した今永、石田、浜口、ウィーランドで計15勝。伸びしろはある。

成績は右肩上がりできたが、初めて挫折を味わった。143試合目も黒星。「毎日人間は学べる。失敗から学ぶことはある。一番重要なことは自分自身が変わること。いいコミュニケーションをとることが重要。ベストを尽くし、優勝を狙う」。この失敗を来季の糧にする。【栗田成芳】