ロッテは23日、ZOZOマリンでスカウト会議を行い、25日のドラフト会議で大阪桐蔭・藤原恭大外野手(3年)を1位指名すると決め、公表した。角中、荻野ら30代が主力の外野の補強は急務で、将来性豊かな左のスラッガーに白羽の矢を立てた。重複指名も覚悟の上。競合した場合は井口監督自らくじを引き、金の卵を射止めに行く。

約5時間半に及ぶスカウト会議を終え、井口監督は開口一番、藤原への思いを口にした。「大阪桐蔭の藤原くんを1位でいかせていただくことになりました。走攻守3拍子そろった選手。将来のマリーンズを背負ってほしい」とラブコールを送った。

藤原は名門・大阪桐蔭の4番として史上初となる2度目の甲子園春夏連覇に貢献。高校通算32本塁打を誇る俊足好打のスラッガーだ。今夏は18歳以下の日本代表にも選出されており、井口監督は「スター性があるし、ここ一番で力を発揮できる選手と思っている」と勝負強さも高評価した。

ロッテは近年、3年目の平沢、1年目の安田と高校生野手を1位で獲得してきた。林球団本部長は「1位は侍ジャパンのレギュラーになるとか、オールスターでファン投票で選ばれるとか、ロッテだけじゃなく、球界を代表する才能のある選手を指名していく」と豊かな将来性も加味。編成と担当スカウト計11人の出席者が、満場一致で指名を決めたという。

チームの補強ポイントにもぴたりと合う。荻野、清田、角中ら外野の主力の多くが30代で若返りは急務。井口監督は「うちに一番マッチしている。西武の秋山くんとか、ああいうタイプになるんじゃないかな。脚力もあるし、守備も含めて期待してみたい」とうなずいた。もちろん競合も想定している。「くじは私が引くことになってます。覚悟はしておく」。例え抽選になっても、超高校級を指揮官自ら引き当ててみせる。【鎌田良美】

◆藤原恭大(ふじわら・きょうた)2000年(平12)5月6日生まれ、大阪府出身。小6でオリックスジュニアに所属。枚方ボーイズでは小園海斗(現報徳学園)らと全国V。大阪桐蔭では17、18年の甲子園に春夏連続出場し、通算19試合で85打数27安打(打率3割1分8厘)、5本塁打、21打点。甲子園通算5発は森友哉に並ぶ左打者最多。U18日本代表に2年連続で選ばれ、今夏のアジア選手権は18打数8安打(打率4割4分4厘)。50メートル走5秒7。遠投110メートル。181センチ、78キロ。左投げ左打ち。