ナインよ、過去に縛られるな!! 阪神矢野燿大新監督(49)が23日、甲子園のクラブハウス内で就任後初めて全体ミーティングに臨み、1軍ナインに矢野イズムを注入した。今季最終戦の13日中日戦から10日たった。糸井、福留や藤川らもいる。ナインが一堂に会し、熱弁を振るった。

「出た数字は変えられない。これから変えられるのは先のこと。数字的に良くなかった選手は『良くなかった、良くなかった…』と思って、そっちに引きずられてやっても、あまりうまくいかない。逆にこれから先のことは、自分たちの努力や心の持ち方とか、いろんなことで変えられる。そっちを頑張っていこう」

今季は01年以来、17年ぶりの最下位に終わった。2軍監督だった新指揮官も、責任を痛感。「今年、このような成績になったのは自分たちも受け止めないとダメ」と話した。だが、あえて過去を振り返るよりも、前を向く大切さを説いた。

周囲に接するスタンスも明確に表した。「いつでも会話する準備がある」。秋季練習初日のこの日は選手だけでなく、トレーナーやブルペン捕手らと話し込む光景があった。これまでも打ち出していた対話路線を実践。「例えばイチ選手を良くしようと(みんなで)考えた方が、アイデアとかもいっぱり出ると思う。俺が言うことが全部、正解じゃない」と話した。

若手にも胸襟を開く。「超ウエルカム。超ウエルカム。逆に来てほしい。俺が監督という立場になってるけど俺が偉いわけでも何でもない」と歓迎。過去にとらわれない。会話する。鉄の2カ条が仲間への所信表明だ。【酒井俊作】