原新監督率いる巨人のドラフト1位は、全国的には無名に近い最速152キロ左腕、八戸学院大・高橋優貴投手(4年=東海大菅生)だった。

巨人原新監督の初仕事は高揚感にあふれていた。クジでは“連敗”も、左腕では意中の八戸学院大の高橋を外れ外れ1位で指名した。最速152キロを誇る本格派に「左投手ではNO・1の評価。重複にならなければいいなという願いはあった」と3度目の競合を回避し、感謝。「即戦力の位置付け。まずは先発ローテの中に入ってくれれば一番。しかし、長く活躍できるような育て方をしたい」と、ほれ込んだ。

2位以下は未来ある高校生を5人と分厚く指名した。「3年、まあ2年ぐらいが一番いいけど近未来、近々未来に担う選手を指名できた」。5位の折尾愛真・松井を「松井(秀喜)を超えてくれれば一番いい。まだゴジラより細身で栄養を蓄えることも必要だが、体も大きく、非常にスピードもある」と冗舌に評した。

大本命だった大阪桐蔭・根尾、外れ1位の立命大・辰己を外した。これまでクジ運に泣き、唯一の1勝は左手で引き当てた08年の東海大相模・大田。それでも利き腕の右手に賭けた。「自然体で。引いた時にはなかったので、あきらめがつく。あった状態なら寝られなかった」。4年ぶりのドラフト会議に感慨深げ。「自分も何十年も前に藤田監督が引いてくれたのを思い出した。妙に引く立場の方が緊張する」と高ぶっていた。【広重竜太郎】