日本ハムのドラフト5位で今夏の甲子園優勝右腕の大阪桐蔭・柿木蓮投手(18)が、ライバルに全勝宣言だ。30日、大阪・大東市の同校で指名あいさつを受けた。チームメートで中日1位の根尾昂内野手、ロッテ1位の藤原恭大外野手、巨人4位の横川凱投手にライバル心をあらわにする一方、夏の甲子園決勝で投げ合った金足農・吉田輝星投手とは共闘宣言。精神力を武器に、プロの世界でも頂点をつかむ。

りりしい眉が、意志の強さを物語っていた。指名あいさつを受けた柿木は、対戦したい選手を聞かれ語気を強めた。「誰にも負けたくない。他の3人には、絶対に負けたくないです」。「3人」とは中日、根尾と藤原、そして横川だ。いずれも順位は柿木より上。仲間たちを早くもライバルに位置づけ「全部で負けたくない」と繰り返した。

中学時代から楽天則本の投球動画を見るなど、気迫あふれる選手を目指してきた。「自分の武器はメンタルの強さ」と強調する。春夏連覇が懸かった大舞台で自己最速151キロを計測した強心臓。「大事にしていた強い気持ちをプロでも大事にしたい」と言い切り、色紙には「信頼される投手」と目標を書いた。「大事な試合を任せられる投手は、監督や選手から信頼される投手。そうなると自然とチームの柱に近づいていける」。信念を貫き、下克上への力にする。

一方、かつてのライバル心は封印する。決勝を投げ合った吉田とチームメートになる。「ライバルとして意識していた」という発言の後に「同じチームでやれるので、うれしい。いい関係になれたら」と笑った。夢の始まりへ「ワクワクが強いです」と、まなざしを強くした。【田中彩友美】