ソフトバンク上林がレーザービームを発射した。1点を先制された2回2死一、二塁。野間の右前打をダッシュでつかむと、本塁へノーバウンド返球。甲斐のミットに収まり、二塁から本塁を狙った安部を刺した。「右中間寄りに守っていました。あの回は1点で終わったのは大きかったです」。広島に行きかけた流れを止めた。

今季は全143試合に出場し、2年連続リーグ最多の10補殺を記録した。今では正確で素早い返球も、ファーム時代はシュート回転し、目標からそれてばかりだった。井出2軍外野守備走塁コーチの指導で少しずつ矯正。練習が実った。

黄色のグラブは、先輩城所からの借り物だ。今年4月8日、仙台での楽天戦で打球をグラブに当てながらはじいた。その後は城所が「オレのを使えよ」と貸してくれたグラブで守り続ける。上林は「いまさら返すって、僕から言えますかね」と苦笑い。先輩に支えられ、全力プレーを続ける。