目指すのは「走れる阿部」だ。日本ハムのドラフト6位、成田・田宮裕涼(ゆあ)捕手(18)が6日、他3人の指名選手とともに、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷の施設見学に訪れた。約2時間の滞在で合宿所や室内練習場を見学し、充実した球団の設備に目を輝かせた。50メートルを6秒台前半で駆け抜ける俊足捕手。理想像を同じ左打ちの巨人阿部とし、超一流の攻守にプラス走力という、最強の捕手になることを目標を掲げた。

初めてプロの施設に足を踏み入れた田宮が、高らかに宣言した。「捕手として、打者として(巨人)阿部慎之助選手が理想の選手です。そこにプラスして走れたらいいなと思います」。球界を代表する名捕手を理想像に挙げ、自身の武器である俊足も加味した“走れる阿部”を目指すと誓った。

それは異次元の捕手だ。プロ野球界で盗塁王に輝いた捕手はいまだにいない。田宮は50メートル走6秒台前半の俊足が武器。さらに二塁までの送球タイム最速1・8秒台の強肩と、高校通算16本塁打の強打を誇り「最終的な目標としては走攻守3拍子そろった捕手になること」と思い描いた。

この日訪れた施設見学では球団の充実した設備に驚いた。「本当に施設が良くてきれいだなと思いました。(室内練習場の)広さと人工芝にびっくりしています。やっぱりプロの施設は違うなと思いました」と目を輝かせた。同じく高校生で指名された横浜・万波や大阪桐蔭・柿木ら同期生とも顔を合わせ、「本当にプロになるんだなと実感してきました」と笑みを見せた。これから始まろうとしている野球漬けの毎日に、「楽しみでいっぱいです」。大谷の二刀流など、常識にとらわれない日本ハムから、また新たな歴史をつくる選手が誕生するかもしれない。【山崎純一】