阪神は24日、オリックスからFA宣言している西勇輝投手(28)と大阪市内で2度目の極秘交渉に臨んだ。谷本球団副社長兼球団本部長らが出席し、1時間ほどで口説き文句を連発。谷本副社長はこう明かした。

「『甲子園は、どちらかと言えばピッチャーズパーク、投手に有利なグラウンドがホームです』と。あと『若い投手も多い。特に若い右腕が多いので、そういうなかで西君には中心となって引っ張っていってほしい』という話をしました」 条件面はほとんど話題に出ず、通算74勝右腕の先発としての自負心に訴えた。資金が潤沢なソフトバンクなども交渉を重ねる。手応えについても「分からないですね」と慎重だ。それでも前向きな思いがにじむ。

「非常に悩んでくれているというのは事実でして。でも悩んでくれているというのは、こちらにとってはいいことかなと思っています。(争奪する他球団と)条件がだいぶ違うと、紙面上は拝見していますので」

資金力ではソフトバンクに太刀打ちできない。「やりがい」などハートに真正面から訴える。「うちの若い選手と親交があるようです」。西は大阪在住。同じ関西ならではの親近感も増す。次回交渉は未定。人事を尽くして、朗報を待つ。【酒井俊作】