あの輝きを再び! 阪神高山俊外野手(25)が26日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、600万円ダウンの年俸3200万円でサインした。16年の新人王は今季、自己最少の出場45試合で打率1割7分2厘、1本塁打止まり。だが高知・安芸での秋季キャンプで打棒復活に手応えをつかんでおり、中堅のレギュラーを争う来季に向けて「自信はあります」と力強く逆襲を宣言した。

減俸提示を憂いている暇はない。高山は契約更改開始時間の14時からわずか10分足らずで会見場に現れた。「来年も契約してもらえるということなので、頑張ろうと思いました」。時折笑みも浮かべながら、驚くほど力強く決意表明した。

「来年は自信はあります。それしかないですかね」

シーズン中はあまり多くを語らなかった男が「自信」という2文字に力を込めた。16年新人王も今季は45試合出場で打率1割7分2厘、1本塁打。「いいんじゃないですかね、今シーズンのことは。自分が一番分かっているので」。迷いと苦悩にまみれた1年はもう過去のこと。今は前を向けるだけの材料がある。

「たくさん課題はありますけど、課題と向き合った秋季キャンプができた。いいところを伸ばすということも矢野さん、浜中さん、平野さん、(筒井)壮さんにいろいろ言ってもらえたので。本当に、なんて言うんですかね…。自信はありますけどね、来年は」

宮崎フェニックスリーグでは15試合出場で4本塁打と復調気配を漂わせた。秋季キャンプでは矢野監督、浜中、平野打撃コーチからの助言もあり、構える際に左足が内側に入りすぎないスタイルにも挑戦。確かな手応えをつかんだ。

「もう1回自分のスタイルで勝負しようというか、そういう形でキャンプを迎えて終えて、今もそういう気持ちで練習しているんで。いい方向に行くんじゃないかなと思います。目指していく方向性は固まっている。今シーズンや去年と違うのは、方向性を定めていけるというところが1番強い。これで勝負できるかなというのがあります」

来季の中堅争いは極めて激しい。中谷に俊介、伊藤隼、ドラフト1位近本とライバルには事欠かない。ルーキーイヤーから4年連続開幕スタメンという分かりやすい達成感にこだわらず、地に足をつけてレギュラー奪取に向かう。

「開幕どうこうは分からないですけど、1年間通してやっていけばいいんじゃないですかね」

曲芸打ちさえも可能にするバットコントロール、思いきりのいい強振を再び-。確かな「自信」が再起を後押しする。【佐井陽介】(金額は推定)