同郷、同世代の勇姿が発奮材料-。日本ハム上原健太投手(24)が28日、来季の2桁勝利を宣言した。前日27日の「NPBアワーズ2018」で同じ沖縄出身、同世代の西武・多和田が最多賞を授賞。昨季5勝から16勝に勝ち星を伸ばし、華やかな場に立つ姿に刺激された。自身は今季、キャリアハイとはいえ4勝どまり。この日、札幌市内の室内練習場で約2時間、汗を流した左腕は、来季の先発ローテーション入りを期した。

幼少期から知る同郷のライバルに上原が闘志を燃やした。今季16勝を挙げ、リーグ最多勝に輝いた西武・多和田は同じ沖縄出身で、小学生の頃に試合で対戦するなど親交がある仲。「本当にすごいなと思いますし、そういう存在がいてくれるからこそ負けられないと思う。自分ももっとやらないといけない」。単調になりがちなオフのトレーニングだが、大きな発奮材料を得たことで気持ちも引き締まった。

左腕の上原と、右腕の多和田。中学卒業後、広陵、明大と歩んだ上原と、地元の中部商から岩手・富士大へと進んだ多和田の道のりは、15年ドラフト1位で再び重なった。以後、常に「先行」したのは多和田だった。ライバルはルーキー年に7勝。昨季は故障もあって5勝にとどまったが、今季は16勝まで勝ち星を伸ばした。

自身は1年目、登板1試合で未勝利。2年目に初勝利を挙げたが、今季もローテ入りは果たせなかった。そんな中、5月26日、敵地で初めて投げ合う機会があった。「誰と投げ合ってもそうですけど、投げ勝ちたいという気持ちは変わらない」。互いに勝敗はつかなかったが、開幕から6連勝を含む7勝1敗というライバルの充実ぶりに、次は自分が、という意識がより芽生えた。

着実にプロの世界で足場を築いていくライバルに先を越されたタイトル獲得は、もちろん上原も意識している。「やるからにはそこ(最多勝)を目指さないとやっている意味がない。ゆくゆくは自分も」。来季目標は、明確に定まった。「スタートから先発としてやって、中継ぎへの行き来をしないこと。2ケタ勝利を確実に狙っていきたい」。4年目は特別な1年にしてみせる。【山崎純一】