ソフトバンクの新人左腕・大竹耕太郎投手(23)が1日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、900万円増の1500万円で更改した。

「チームが苦しい時に救ってもらったという話もあった。これからも結果を残していこうと思った」。昨年の育成ドラフト4位で入団。7月30日に支配下登録され、後半戦で3勝2敗の数字を残した。入団時の年俸400万円から計算すると、2度の「ベースアップ」で3・75倍の1100万円増だ。プロ初登板初先発となった8月1日の西武戦(メットライフドーム)では8回5安打2失点でプロ初勝利をマーク。和田の故障など先発左腕を欠いたチームでまさに「救世主」となった。

悔しさもある。9月16日の西武戦(メットライフドーム)では中9日の調整期間をもらいながら、2回途中8失点KO。「ひどい投球だった」と唇をかんだ。交渉の席では球団へのリクエストも忘れなかった。「(投球時の)自分の感覚と、実際の動きを確認できるので」と、ファーム施設にある映像が遅れて再生されるビデオとモニターをヤフオクドームのブルペンにも設置してほしいと願い出た。

2年目の来季は、さらに高い目標を掲げる。「2ケタ勝利&規定投球回到達」だ。ドラフト時に調査書が届いたのはホークスだけ。「球団に感謝している。地道なことを地道に。初心を忘れずにやっていきたい」。今オフの退寮も決まり、新居を物色中。さらなる飛躍を誓って、クレバー左腕が気を引き締めた。【佐竹英治】(金額は推定)