【ホノルル(米ハワイ州)10日(日本時間11日)=山本大地】19年は「奪」い返す! 2年連続日本一に輝いたソフトバンクの選手、スタッフとその家族らが優勝旅行先のハワイに到着。工藤公康監督(55)は日本時間の今日12日に迎える「漢字の日」に合わせ、今心に描く1字に「奪」をチョイスした。来季は次の塁を奪う意識を高めて2年ぶりにペナントを奪い返す。

工藤監督はじっくり考え、ペンを走らせた。色紙に書いたのは「奪」の文字。「奪うと言うより、奪い返す」とペナント奪回への思いを吐き出した。

常夏の島を訪れ、日本一の達成感を味わう半面、物足りなさが湧き上がった。「結果が出たからこそ、次はもっとやりたい、やらないといけないという思いがある」。今季はレギュラーシーズン2位から優勝した西武を下克上して2年連続の日本一。球団史上初めてだった。「下克上という言葉ではなくて、勝てなかったチーム。そういう意味では、今年はぼくたちが奪った」。思い描くのはリーグを制しての日本一という「完全優勝」だ。「みんなで1つになって、日本一になれたのは大きい。日本一になれたのは、選手が負けた悔しさをぶつけてくれたから」。奪ったからこそ、悔しさがあふれた。

その奪回のため、次の塁を「奪」う走塁意識をポイントに挙げた。今季は本塁打数で西武を上回りながら、総得点では100点以上の差をつけられた。盗塁数はリーグトップ西武の132に対し、ソフトバンクは80にとどまった。「村松コーチ、本多コーチとも話したが、走塁面をしっかり出していけたらプラスアルファになる。走塁を進化させる思いが大事。前の塁を奪う意識が得点につながる。上林もそうだし、今宮も走れる。牧原もいるし、ギータ(柳田)だってそう。マッチ(松田宣)も走れないわけではない」。来春キャンプでは今まで以上に走塁へ時間を割くつもり。「奪う」意識で、胸を張れるハワイ旅行を奪い取る。