球団の垣根を越え、北海道に関わった選手たちが集結した。日本ハム鍵谷陽平投手(28)玉井大翔投手(26)と、元日本ハムの巨人吉川光夫投手(30)石川慎吾外野手(25)中日大野奨太捕手(31)谷元圭介投手(33)の6選手が17日、北海道胆振東部地震で被害の大きかった安平町などを慰問した。小中学生らと交流。七飯町出身の鍵谷は、同じ道産子として力をもらうとともに、被災者を元気づけるために、6年目の来季の活躍を誓った。

雨がやみ、物々しい空気が少し晴れた。激しい土砂災害の名残がある安平町。仮設住宅を訪れた鍵谷は、熱心に居住者に話しかけた。「家の家電も崩れて、すごく怖かったと言っていた。仮設住宅の住居期限は2年と言っていた。まだまだ課題はある」。9月に北海道胆振東部地震が発生し、被害が大きかった地域の1つ。震災の爪痕の大きさを、真正面から受け止めた。

北海道への思いが、選手を1つにした。同じ道産子の玉井とともに巨人吉川光と石川、中日大野奨と谷元の元日本ハムの選手が慰問に賛同。大野は「北海道は第2の故郷。お世話になったし、感謝を伝えたかった」と悲願だった。鍵谷は「ファイターズの選手としても、一道民としてもうれしい。みなさんに感謝しています」と礼を述べた。

安平・早来中学校は、震災により、同町内の公共施設が仮校舎。会議室を利用した教室で、生徒と給食を一緒に食べた。鍵谷は、トレード加入した秋吉について聞かれ「誰が入ってこようが、やるのは僕自身。最大限のプレーをして、そこからなので、それが結果につながるかなと思う」と決意を明かし、生徒から拍手を浴びた。

むかわ町での野球教室を終えて、午後7時過ぎに全行程が終了。充実感を漂わせ6年目の来季へ、誓いを立てた。「ファイターズの試合を見ている方がたくさんいて、期待していて楽しんでくれる子どもたちがいた。最後まで諦めず、ハツラツとしたプレーを見せることが大切」。道産子として、たくましいプレーで復興の象徴となっていく。【田中彩友美】