史上初となる3度目のトリプルスリーを達成したヤクルト山田哲人内野手(26)が21日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億5000万円アップの4億3000万円プラス出来高の単年契約でサインした。球団では、自身の17年の3億5000万円を抜いて、日本人の歴代最高年俸を塗り替えた。

会見場に現れた山田哲は、少し笑みを浮かべながら着席した。「サインしました。1億5000万円アップです」。フラッシュを浴びながら、真っすぐ前を見据えた。ちょうど2年前の12月21日に、自身の契約更改で打ち立てた球団の日本人歴代最高額3億5000万円を上回った。史上初となる3度目のトリプルスリーを達成し、チームの2位にも大きく貢献。「チームとしては、去年の歴史的大敗からの2位で、すごく成長を感じた。個人としてもトリプルスリーを達成して、いいシーズンだったと思います」と振り返った。

2歳年上の広島菊池が米大リーグ挑戦を志願し、山田哲もその話題を振られると「シークレットです」と白い歯を見せてはぐらかした。この日の契約更改の場では「メジャー」の単語は出なかったという。査定担当の斎藤チーム運営部参事は「(今年11月)日米野球から帰ってきたときに話し、『まだそういう(大リーグ挑戦の)気持ちは出てきていません』と言っていました」と明かした。菊池を意識しているのは、守備の部分。ゴールデングラブ賞の初受賞へ「守備でも認められたい。毎年(二塁手は)菊池さんが取っているので、高い壁だけど乗り越えたい」と言及した。

来年の目標は「今年の成績をすべて上回ることです」ときっぱり。今季は140試合に出場し打率3割1分5厘、34本塁打、33盗塁。今年の自分を超えることで、見えてくるのは日本プロ野球初の「40本塁打・40盗塁(フォーティー・フォーティー)」の達成。来季のチームスローガンは「KEEP ON RISING 躍進」で「2位からの躍進、ということは優勝しかない」と意識する。「これだけのお金をもらってプレッシャーも感じますが、さらに活躍して、来年も頑張ろうと思う」。4度目のトリプルスリー、さらにその先へ進み続ける。【保坂恭子】(金額は推定)

▼山田哲が4億3000万円で契約更改。外国人選手を除き、ヤクルトの選手では自身の3億5000万円(17年)を更新する球団史上最高額となった。昇給額1億5000万円も16年自身の1億4000万円を超える球団最高額。来季は9年目。高卒の野手で9年目以内に4億円に到達したのは、98年イチロー(オリックス7年目=4億3000万円)、01年松井秀喜(巨人9年目=5億円)に次いで3人目。