巨人から西武へ移籍した内海哲也投手(36)が21日、埼玉・所沢の球団事務所で入団会見を行った。FA移籍の炭谷銀仁朗捕手(31)の人的補償。背番号は「1つでも上に行く」の思いを込めて、巨人時代の26より1つ大きい「27」を選択した。西武カラーの紺色のネクタイを胸にリーグ連覇&日本一に全力を尽くすことを誓った。西武は溶け込みやすい球団。内海も打ち解けやすい人柄。両者のマッチングに潜入した。

西武のユニホームに初めて袖を通した内海は「どうですか?」と、照れながら報道陣に尋ねた。帽子は渡辺SDにかぶせてもらった。ライオンズの頭文字「L」のマークを親指と人さし指で作るようリクエストされたが、向きが逆だった。同SDから「逆!」と突っ込まれると、会見場は温かい笑いに包まれた。

前日に巨人の球団事務所を訪れた時は込み上げるものがあったが、切り替えた。「年齢的にも、あと何年できるか分からないのに呼んでもらった。もうひと花じゃないけど、強いライオンズの一員になろうと素直に思いました」。早速、中村、栗山、秋山、武隈、増田らに電話であいさつ。いきなりチーム最年長となるが、自ら歩み寄った。

この日、西武第2で自主トレを行った中村は「(来年)37歳で新しい環境。緊張するでしょう。でも、内海さんなら大丈夫。すぐなじめると思います」と断言した。内海だけではない。森本稀哲、脇谷亮太、渡辺直人。ここ数年、実績を積んでから加わった選手たちは例外なく、すぐになじんでいった。

日刊スポーツ評論家の森本氏は「(西武は)同じユニホームを着た瞬間からファミリーという雰囲気を感じる。横浜に移籍したときは、チームメートも『どんな人なんだろう』と探ってくるようなところもあったりして、受け入れてもらうまでの時間は、ライオンズの方が早かったなという気がします」と証言し、キーマン2人の名を挙げた。「栗山、中村の存在が大きい。自分たちも実績があるのに(加入してきた選手の)実績を認め、尊重してくれるから、若手も尊敬してくれる」と分析した。そういう土壌があるから、内海もすぐに溶け込めるとみている。

内海は「若い投手が多い。僕にできることは、野球以外でもしたい。西武の連覇、日本一へ頑張ります」と力強く言った。エース菊池が抜けるため、先発陣、特に左腕の補強が急務だった。通算133勝というだけでなく、野球に取り組む真摯(しんし)な姿も評価される。外様を遠ざけない土壌と周囲に好影響を及ぼすベテラン。チームと内海の相性はいいはずだ。【古川真弥】