今年の野球界もいろいろなドラマがあった。日刊スポーツの野球担当記者の印象に残った「言葉」を紹介する、年末恒例企画の「言葉の力」。喜び、悲しみ、怒り…、勝負師たちの本音が凝縮した数々の言葉から、2018年を振り返る。今回は「高校野球編」です。

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▽日大三・日置航主将「諦めない、絶対に諦めない、何があっても諦めない気持ちで」(7月1日、東・西東京大会開会式で選手宣誓。3度連呼した“諦めない”戦いで夏の甲子園で4強入りした=久保賢吾)

 

▽高崎健康福祉大高崎・高山遼太郎内野手「おやじを抜いて、今日負けたことが小さかったと言えるような野球人生を送りたいです」(7月25日、夏の群馬大会決勝の敗戦後。広島スカウトの父健一さん超えを涙で誓った=久保賢吾)

 

▽金足農・吉田輝星投手「秋田県をなめてくれたほうがいい。今度は自分たちがボコボコにしてやります。実力を見せつけて、相手をビックリさせる。インパクトも強くなる。自分は注目されるほど楽しくなる」(8月2日、夏の甲子園組み合わせ抽選会で対戦相手が鹿児島実に決定。秋田県勢には初戦で13連敗した全国ワースト記録もあり、県勢が鹿児島実に0-15で敗れた過去も伝え聞いてのひと言。反骨精神が吉田やナインの躍進を支えたことは間違いない=鎌田直秀)

 

▽龍谷大平安・原田英彦監督「100回大会が待ってくれていた、そう取ります。まだ次のことを考えたくない」(8月11日、甲子園1回戦で龍谷大平安が春夏通算100勝を達成した。99勝とした16年センバツから2年間足踏み。苦しみと喜びが原田監督の涙につまっていた=磯綾乃)

 

▽星稜・林和成監督「これも野球ですし、これも甲子園です」(8月12日、夏の甲子園2回戦で星稜が済美を8回までに6点リードするも、その裏に8失点。9回に2点差を追いついたが延長タイブレークの末、13回に逆転満塁打を浴びた。悲運の敗戦を端的に表現したひと言だった=磯綾乃)

 

▽花咲徳栄・岩井隆監督「私たちの戦いは続いています」(8月14日、夏の甲子園で横浜に敗退し、試合後に選手たちへ。引退する3年生の今後の人生を応援するとともに、同校を名門にするための意気込みを強く感じた=金子真仁)

 

▽大阪桐蔭・根尾昂内野手「素晴らしい高校でやらせていただいて、意識の高い仲間と一緒に出来た2年半は今後に生きてくる」(8月21日、夏の甲子園決勝で大阪桐蔭が2度目の春夏連覇を達成。100回大会世代を代表する逸材は、最高の高校で才能を伸ばし続けた=磯綾乃)

 

▽大学日本代表・生田勉監督「パーンという、乾いた音を聞いて、(元巨人の)高橋由伸君を思い出した」(8月28日、高校日本代表との壮行試合で対戦した根尾の打撃を評価。大学球界の名将を根尾が“打球音”で魅了した=久保賢吾)