阪神が、今年に開校した「タイガースアカデミー」のベースボールスクールを拡充する方向であることが27日、分かった。今季は年齢別に幼児から小学6年生まで4コースに分けたが、さらに上級コースを新設。1日1会場から2会場に増やす方向で調整中だ。この日、今季限りで現役引退した今成亮太氏(31)のアカデミー専属コーチ就任を発表。指導陣を“補強”し、アカデミーを進化させる。

阪神が野球振興活動をさらにバージョンアップする。来季、2年目を迎えるアカデミーのベースボールスクールが倍増プランを検討していることが判明した。球団幹部は「アカデミーも強化しようということ。2年目に入る生徒も出てきます。ただ投げて打つだけじゃなく、もう1つ上のレベルでやらせたいというのもあります」と説明した。

1年目の今年は年齢別に幼児から小学6年生まで4コースに分けていたが、上級者向けのコースを新設する予定だ。1日1会場での開催を2会場に増やす方向で調整中。西宮や芦屋、伊丹、宝塚で行ったが、兵庫県内でさらに開催場所も増やす考えだという。球団幹部も「子どもたちと野球の接点をできるだけ増やしたい。野球の技術だけではなく、礼儀やあいさつなど、人間教育も大事だと考えています」と強調した。

今年の生徒数は約500人だったが、来年は1000人規模を目指し、2月ごろから新規募集を開始する予定だ。球団側も受け入れ態勢の充実を図る。元監督の和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(56)は特別顧問で来季も続投。現役引退した今成亮太氏の専属コーチ就任が発表され、明るいキャラクターでスクール強化に一役買う。柴田講平氏や鶴直人氏が在籍し、元阪神投手の若竹竜士氏も入団。球団広報の元左腕、中村泰広氏が年明けから事業本部振興部課長に人事異動となり、アカデミーの拡大に尽力する。

新体制の矢野阪神は「ファンを喜ばせる」を大目標に掲げる。甲子園をわかせた元選手が少年少女に野球の素晴らしさを伝え、野球人口の裾野拡大を目指す。

◆タイガースアカデミー 野球振興を目的に今年4月に設立された。野球初心者が対象で、ベースボールスクールは幼児(年中~年長)、小学1~2年、同3~4年、同5~6年の4コース。西宮市など阪神間の5会場で月~金曜日に開催。小学2年まではティーボール、3年生以降は軟式球を使用する。球団振興部の柴田講平、鶴直人両氏らがアカデミー担当としてOBコーチを務めた。4月2日の開校初日には、特別顧問の元監督・和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(TA)も参加。アドバイスを送ったり、ノックを打つなど熱心に指導した。