海外修行でつかんだ新打法で育成から支配下選手登録をつかむ。ソフトバンク周東佑京内野手(22)だ。1年目の今季、ウエスタン・リーグで盗塁王となり、オフもコロンビアでのU23ワールドカップ、プエルトリコのウインターリーグで実戦を積んできた。

プエルトリコでは26試合に出場して打率3割4厘。「向こうはピッチャーの球がめっちゃ動く。最初の10打席くらいは対応できなかった。バッティングをいろいろ変えていって、形というか、自分の中で見えてきた物があった」。バットを短く持ち、足を上げずすり足に変えた。現地のコーチからは打席の前の方で立つよう助言を受けた。「動く球の曲がりっぱなをとらえた。すり足と短く持つのは感覚がよかったので、キャンプでもやろうと思います」。試行錯誤して課題の打撃にも手応えをつかんだ。

「ぼくみたいなタイプは率を残せないとダメ。打率は3割近く、出塁率は4割近くまでいければチームに必要とされると思う」。出塁率を高めればウエスタン・リーグ最多27盗塁の足も生かせる。「走塁技術ももっと磨いていかないと上では通用しない。足は武器なので、前面に押し出していきたい」。

2年目の来季に向けて「チャンスですよね。強い思いを持ってやりたい。来年は勝負なので」と話す。球団はFA補強を目指したが獲得できず、支配下登録選手は65人で5枠が空いたままだ。「『奪Sh!』のスローガンで言うと、ぼくは『支配下奪取』なので。プエルトリコでやってきたことを春キャンプで出して、まずはA組に呼ばれるように。オープン戦にも出たい」と気合を入れる。

1月の自主トレは松田宣のもと、グアムで行う予定だ。「楽しみです。練習はきついと聞いています」。自慢の足と自信を手にしたバットで韋駄天(いだてん)の星が支配下をつかむ。【山本大地】

◆周東佑京(しゅうとう・うきょう)1996年(平8)2月10日生まれ。群馬県出身。東農大二から東農大北海道オホーツクを経て17年育成ドラフト2位でソフトバンクに入団。内野手登録だが外野を守り2軍でレギュラーを奪う。今季2軍で90試合に出場。打率2割3分3厘、0本塁打、14打点。50メートル5秒7の足を生かし27盗塁でウエスタン・リーグ盗塁王。180センチ、74キロ。右投げ左打ち。