虎は来年も西詣で! 阪神が来秋ドラフトの上位候補として、今夏の甲子園で活躍した創志学園(岡山)の西純矢投手(2年)を継続的にマークすることが30日、分かった。その親戚でオリックスからFA宣言した西勇輝投手(28)は熱烈アタックの末に阪神入団が決まった。来年ドラフトは投手が重点ポイント。もしかして、虎にダブル西の誕生があるかも!?

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阪神は来年も「西」に熱視線を送る。ターゲットはさらに西の岡山にいた。創志学園の超高校級右腕、西をドラフトの上位指名候補としてチェックを重ねる方針だ。球団幹部は「いい投手ですよね。西選手の遠い親戚みたいですね。追いかけていくことになると思います」と高評価。今夏の甲子園で活躍したが、定期的に担当スカウトを派遣し、成長ぶりなどを見極めていく。

今オフはオリックスからFA宣言した西の獲得に乗り出した。ソフトバンクなど複数球団による争奪戦では通算74勝右腕と3度の交渉を重ね、口説き落とした。その西と創志学園・西は親戚。8月に甲子園デビューした際、オリックスで活躍していた西が「確かに父親が岡山出身なのでつながりがあるのかなと思う。おじいちゃんが9人きょうだいなのでそこのつながりだと思う」と話した。阪神は来年も「西詣で」を続行することになりそうだ。

もちろん、話題先行ではない。創志学園・西は8月9日、センバツ8強の創成館(長崎)を完封。毎回の16奪三振の快投を演じた。140キロ台後半の速球や切れ味鋭いスライダーなどを駆使。気迫満点のマウンドさばきも売りだ。今夏は2試合で散ったが、力量が評価され、2年生ながら一躍、プロ注目選手に躍り出た。

阪神は今秋ドラフトで1位に大阪ガス・近本光司外野手(24)を指名するなどセンターラインの強化を徹底した。来年は違う。高校生や大学生の投手も重点的にチェックする方針だ。大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(2年)もその1人。今夏の岩手大会で150キロ台を連発した剛腕だ。幅広く調査を重ねるなか「西つながり」の縁はあるのか。甲子園のマウンドにふさわしい剛腕をターゲットにする。

 

<創志学園・西純矢投手の今夏>

全国高校選手権岡山大会で2年生エースとして活躍。試合には各球団のスカウトが集まるなどプロ注目の存在。決勝では岡山学芸館を9回2失点完投で破り優勝。甲子園では初戦の創成館(長崎)戦で、最速149キロの直球などで4安打16奪三振の完封勝利。2回戦は下関国際(山口)を3安打に抑えるも、ガッツポーズを審判に注意されるなどでリズムを失った。9四死球と制球を乱し、2点リードの9回に3失点。4-5の逆転負けを喫した。

 

<西純矢(にし・じゅんや)のアラカルト>

◆生まれ 2001年(平13)9月13日、広島県廿日市市。

◆球歴 小2年から鈴が峰レッズで軟式野球を始め、阿品台(あじなだい)中ではヤング広島に所属。中2夏に全国優勝。3年時にNOMOジャパンに選出された。創志学園では1年春からベンチ入り。2年春から背番号1。今年のU18日本代表候補。

◆目標の投手 創志学園の先輩の巨人高田萌生、地元広島でエースだったドジャース前田健太。同学年の星稜・奥川恭伸や大船渡・佐々木朗希の両右腕をライバル視。日本ハム入りした吉田輝星の投法を研究している。チームとしては「夏の日本一です」。

◆打撃も チームでは4番。高校通算15本塁打。

◆性格 マウンドでは強気。自己分析は「負けず嫌いだが人見知り」。

◆趣味 音楽。最近は米津玄師がお気に入り。

◆球種など スライダー、カーブ、チェンジアップ。最速150キロ。50メートル走6秒0、遠投120メートル。

◆サイズなど 184センチ、79キロ。右投げ右打ち。

◆家族 母と弟。現在は寮生活。