巨人の2019シーズンのスローガンが「Show The Spirits~和と動」に決まった。4年ぶりに指揮を執る原辰徳監督(60)が、東海大相模時代に同校の監督だった父貢さんが掲げた部訓「和と動」をチーム方針として示した。5年ぶりのリーグ優勝、7年ぶりの日本一へ、恩師である父から受け継いだ信念を胸にシーズンを戦い抜く。

抽象的な2つの漢字の解釈はそれぞれに委ねる。原監督自身も高校時代は「本当によく分かんなくて単純な言葉だなあって思った。漢字もそんなに難しい漢字ではないし」と真意にたどり着くことはできず、貢さんは意味については伝えなかったという。

第2次政権を終えた15年に現場を離れてからの3年間で、理解が深まった。「和というのはマインド的。チームワークとか。動というのは暴れる、パフォーマンス、そういうもの。ファンの人は和だと思う。我々、プレーヤーが動。いろんな解釈ができる。和も動も両方とも必要」と落とし込んだ。第1次政権時から掲げ続ける「Show The Spirits」に、ファンも含めた相互性を加えた。

球団、首脳陣、選手、ファンを強制的にまとめ上げる意図はない。「それぞれの感覚で、選手も、ファンの方もですね、どう感じるのか。それぞれが考えてもらえればいい」。定義なきスローガンでV奪回への一枚岩を構築する。【為田聡史】