ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が自身最速のフリー打撃開始で、今年もキャリアハイを目指す。5日に福岡空港から自主トレ先の沖縄に移動。浜涯、松本両打撃投手が同行し、近日中にもフリー打撃を行う予定だ。年明け早々、本格的な打撃を取り入れ、開幕から最高のスタートダッシュを切る。

オフの充電を終えた柳田は野球をする喜びを表情ににじませた。今年は16年から3年間続けていたグアムではなく、沖縄で始動する。メンバーは変わらず、阪神糸井やオリックス吉田正らとの合同練習だ。「楽しく、自分に厳しくやっていきたいなと思います。自分がやるかどうか。自分に厳しくやるだけです」と力強く言った。

昨年までとは大きく変わる部分がある。この日の出発から、左腕の浜涯打撃投手に同行してもらった。後日、右腕の松本打撃投手も合流する予定だ。異例の2人態勢で打ち込むプランだ。「せっかくだから最初から打ちたいなと」。グアム自主トレでは体力強化などをメインにし、バットを持ってもティー打撃を行う程度だった。昨年はグアムから帰国後、1月下旬に地元広島での練習で初めて両打撃投手に参加してもらった。例年より早い時期で生きた球を打ち込み、2度目の首位打者を獲得。本塁打と打点は自己最高を残した。

その経験がベースとなった。「バッティングの量は大事というのをここ数年感じている。手伝ってくれる裏方さんのためにも結果で恩返ししたい」と話す。さらに開幕からスタートダッシュを決める狙いもある。15年は4月までの打率が2割3分6厘。16年も5月中旬に2割3分台まで落ち込んだ。しかし昨季は4月終了時で3割5分を超え、打ち込んだ成果を実感した。「最初はピッチャーも仕上がりがいいので、仕方がない部分はあるけど、自信を持ってシーズンに入りたい」と意気込んだ。

今年は17年から参加している真砂に加え、谷川原も初参加。参加を希望する後輩も増えてきたが、糸井とのトレーニングも大事な期間と考える。「糸井さんはすごすぎる。なんとか少しでも追いつけるようにやりたい。やっぱり上には上がいるというのを毎回、毎回思っている。そういう人と練習することはプラスしかない。1年間で希少な時間なので大事にしたい」。謙虚に上を目指す主砲が19年シーズンへ動き始めた。【山本大地】