えっ!? 望月も才木も開幕候補? 阪神矢野燿大監督(50)が13日、開幕投手の白紙を強調した。2月キャンプから始まる激しい開幕投手争いを期待し、候補者の1人にプロ4年目で先発経験のない望月惇志投手(21)の名前も挙げた。3月29日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の真っさらなマウンドに立つのは果たして…。

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矢野監督は自ら可能性を狭めることはしなかった。西、ガルシアら新戦力が加わり今季の先発陣が出そろった。注目の開幕投手は5年連続6度目のメッセンジャーとの三つどもえか? それとも…? だが、新指揮官は「何も見てないのに、今から誰かにしますということはない」と断言した。先入観はない。固定概念にもとらわれない。

「もちろんランディがやっている可能性も十分にあるし、西だってね。俺のなかでまだ決めるつもりはない。才木も『やらせてくれ』って言ってるし(笑い)。望月も可能性があるし」

挑戦権は誰もが持っている。最後に口にしたのは、20歳才木と21歳望月の若虎2投手の名前だった。高卒プロ3年目の才木は昨季6勝を挙げた有望株。開幕ローテーションの一角に加わる可能性は十分だ。だが、4年目望月は昨季37試合に登板して0勝0敗、防御率4・30。過去3シーズンで1軍の先発経験もない。先発経験ゼロの投手が開幕投手に抜てきとなれば、球界を見渡しても超異例だ。

「俺が楽しむっていうのはおかしいけど。ファンの人にも『どうなんのかな』っていうのは興味を持ってもらえる部分やと思う。みんながそこを目指してくれるようなキャンプを送ってくれることの方が今は大事かな」

熱心な虎党には夢を膨らましてほしい。メッセンジャーに決まったわけじゃない。新加入の西、ガルシアがいる。完全復活を期待される藤浪だっている。大外から強烈なまくりを見せる超新星が現れるかもしれない。ベテラン、若手、生え抜き、外様は関係ない。2月のキャンプインから3・29の開幕戦まで続く激しいレースに注目してくれ! 矢野監督流のメッセージだ。【桝井聡】