楽天釜田佳直投手(25)が南国沖縄で復活への歩みを進めている。同地で行われる「チーム銀次」の自主トレに今年初参加。17日は沖縄入り後4度目となったブルペンで銀次らが打席に立つ中、足立のミットを気持ちよく鳴らした。近距離から軽く投げて打撃練習の相手役を務めることもあり「いろんな発見がありますよ」と充実の表情で笑う。

昨年6月、右肩ベネット骨棘(こっきょく)切除術および後方関節包解離術、右肘クリーニング術の手術を受けた。肩にメスを入れるのは初。「野球選手として終わってしまうんじゃないかという怖さがあった」と明かす。今は新たなモチベーションを見つけた。「自分のためはもちろん、周りのために頑張りたい。松坂さんは同じ肩の手術から復活した。僕が頑張れば、関節唇を縫ったり、腱板(けんばん)を修復する1歩手前の道を示せると思うんです」と熱っぽく言った。

競技復帰まで6カ月とされるが、実際は1年かかるケースがほとんど。慎重にステップを踏んできた。昨年12月、寒さも厳しい仙台のブルペンで「その時の目いっぱいで投げました」。141キロ。何キロ出せたかではなく、自分の感覚と一致していることがうれしかった。「変化球、クイック…。やることはいっぱいありますから」。心は、決して折れない。【亀山泰宏】