即戦力左腕が、存在感を示した。ヤクルトのドラフト7位、久保拓真投手(22=九州共立大)が19日、埼玉・戸田での新人合同自主トレで4度目のブルペン入り。

直球に加え「カーブいきます」「スライダーいきます」と次々に変化球を繰り出した。さらにカット、ツーシーム、チェンジアップと計5種類の変化球を操る。「疲れていて、うまく下半身を使えなかった。自分の中では、まだまだ」と反省も、視察した田畑投手コーチは「球種もたくさんあって、面白いボールを投げていた」と評価した。

昨季のチームで、フル稼働した左腕は、石川と中尾、ハフ程度と駒不足だ。新人では久保とドラフト5位の坂本光士郎投手(24=新日鉄住金広畑)に、即戦力左腕の期待がかかる。田畑投手コーチは「左の2人が食い込んできて(ドラフト1位右腕の)清水が先発ローテに入ってくれれば厚みが増す」と言及した。

久保は先発も中継ぎも経験しており「チームが必要とする場所で結果を残したい」と力強く話した。初めて九州を離れ、入寮では「寂しくなったら食べる」と福岡のお土産を持ち込んだ。「博多通りもん」は1箱消費したが、第3クールに入っても「筑紫もち」は1つ食べただけ。故郷への思いは胸にしまい、東京で飛躍する。【保坂恭子】