目も一級品だ。中日ドラフト1位の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が19日、ナゴヤ球場で視覚機能検査を受診。優れた動体視力に加え、明暗を見極める能力の「コントラスト感度」は球団の過去データと比較してもトップクラス。担当者も「ナイター向き」と太鼓判を押した。大物を見ようと、球場は急きょスタンド開放エリアを広げるフィーバーぶり。20日にはフリー打撃を行う予定で、開幕1軍へ焦点を合わせスキなく歩を進める。

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強肩を武器と公言する根尾に、もう1つのセールスポイントが見つかった。それはキリッとした眉毛の下に輝く「目」だ。名古屋市に本社を置くキクチメガネによる恒例のスポーツビジョンスクリーニング(視覚機能検査)で、安定した目力を披露した。

04年から自主トレ期間中に行われ、今年で16回目のこの検査。動体視力、瞬間視、コントラスト感度…など8項目を調べる。根尾は高校時代からブルーライトをカットする眼鏡を保有。勉強でも好成績を残したが「机ばかり見ずに、遠くや外も見ていた」と目の保護にも努めてきた。検査後の数字を見ると「全体的にもっとできると思っていた。ショックでした」。圧倒的な数字を出せなかったことに不満げも、データを確認したプロの見立ては違った。

キクチメガネOBで、ビジョンサポート代表の加藤一幸氏(60)は根尾の調査票を見ながら感嘆した。「京田君と同じように全体的に均衡が取れている。項目が飛び抜けず、きれいなデータ。目の機能が全体的に優れていて、何年もプロでプレーしているような安定したデータですね」。これから正遊撃手を争う先輩と、同等の評価を与えた。

おしなべて高い数値を示す中でも、優れていたのは、動体視力とコントラスト感度だという。特に、明暗の中で物を見極める能力指標であるコントラスト感度は「5段階で5。チームでもトップクラス。ナイター向き」と説明。ナイター照明が暗いとされる球場でも、明るいナゴヤドームと同じようにプレーができるという。

合同自主トレでは、室内練習場でのフリー打撃が行われている。大挙して押し寄せたファンは期待したが、この日はティー打撃で終えた根尾。「明日くらいから予定しています」と20日のフリー解禁を示唆した。間近に迫ったキャンプに向け、抜け目なく調整を進める。【伊東大介】

<根尾の1番アラカルト>

◆ソフトボール投げ 小学6年時、岐阜県ジュニア地区対抗陸上のソフトボール投げで88メートル92センチの県新記録で優勝。過去の大会記録を20メートル75センチも更新した。

◆スキー 4歳から始め、中学2年時に全国中学校スキー大会のアルペンスキー回転で優勝。世界大会にも出場した。

◆中距離走 新人合同自主トレ初日の7日、約3・8キロの中距離走で14分47秒と6人中1着。2位以下に11秒差をつけた。

◆勉強 古川中(岐阜)では学業成績オール5で生徒会長だった。大阪桐蔭ではバス移動中でも勉強。多い時は2カ月で20冊という読書家。入学時から先輩にも「根尾さん」と呼ばれる。

◆野球 高校3年時は春夏連続で日本一。春は史上初めて2年連続で優勝投手になった。夏の決勝はバックスクリーンへ本塁打。

◆整備 大阪桐蔭ではグラウンド整備を下級生よりも早く、率先した。

◆人気 同学年のロッテ藤原によると「学校とかでも一番人気あるんで。教室の前で待ち伏せとかされてます」。