今季は甲子園で勝つ! 阪神に新加入するオネルキ・ガルシア投手(29=中日)が、ピアース・ジョンソン投手(27=ジャイアンツ)、エフレン・ナバーロ内野手(32)とともに27日、関西国際空港着の航空機で来日した。

最速150キロ超左腕は昨季中日で13勝を挙げたが、2試合に登板した甲子園では未勝利。今年は本拠地での白星を重ね、14年ぶり優勝への頼もしいピースとなる。

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堂々と歩く金髪のモヒカン姿が、通行人の目をひいた。赤白黒のど派手なパーカー姿でも、隆々とした太い左腕がよく分かる。ガルシアは時折笑顔を浮かべながら、リラックスした様子で来日。「今日はちょっと疲れたけど、コンディションもいいし、早く甲子園で投げたいね!」。聖地での登板を心待ちにした。

中日でプレーした来日1年目の昨季は登板27試合でチーム最多の13勝を挙げ、防御率2・99だった。190センチの長身から投げ下ろす150キロ超の速球とチェンジアップを武器に、阪神相手に3勝。しかし甲子園では2試合で1敗に終わり、さらに防御率は7・20と最も苦手とした球場だった。甲子園初登板となった5月5日は5回4失点で降板し敗戦投手。2度目の登板となった9月11日は、黒星こそつかなかったが5回5失点。4回には大山にソロ本塁打も浴びていた。

最も苦しんだ甲子園が、今年からは本拠地に。「甲子園のあの大歓声を味方に投げられるのは本当に楽しみだよ!」。球場全体を包んでいた敵地の大歓声が、これからは自分を後押しする。未勝利だった聖地で白星を重ねれば、昨季を超える活躍も見えてくる。

さらにプラス材料もある。今季から甲子園のマウンドが、硬くする形でリニューアルされる。まず2月の沖縄・宜野座の1軍キャンプ、高知・安芸での2軍キャンプで専用の黒土を用いて新仕様に整え、感触を確かめる予定だ。メジャーのマウンドも粘土質の硬さが特徴。ドジャース、ロイヤルズとメジャー経験のあるガルシアを後押しするはずだ。

阪神にとって先発左腕は補強ポイントの1つだった。申し分ない実績を引っさげた助っ人が、大きな期待を背負いやってきた。【磯綾乃】

◆オネルキ・ガルシア 1989年8月2日、キューバ生まれ。10年に米国亡命。12年にドジャースからドラフト3巡目で指名され契約。13年メジャーデビュー。昨季は中日に在籍。チームでは唯一規定投球回に到達し、13勝をマークした。190センチ、104キロ。左投げ左打ち。