【スコッツデール(米アリゾナ州)5日(日本時間6日)=木下大輔、田中彩友美】日本ハム宮台康平投手(23)が2年目の進化を示した。フリー打撃に登板し、浅間を相手に15球を投げて安打性の打球はゼロ。自己採点は80点という合格点の内容で、首脳陣の評価を高めた。東大出身左腕が初の開幕1軍入りへ、猛アピールに成功した。

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宮台の言葉は、歯切れが良かった。この日の打撃投手の内容について自己評価を問われると「何点っていう話ですね。80点くらいだと思います」。マウンド上でもキレのよいストレートが周囲の目を引いた。レギュラー候補の浅間を相手に15球を投げ、安打性の当たりは1本も許さなかった。「いいボールが投げられた。感覚はよかったです」。

球種を事前申告しながら、外角低めへの直球で見逃しストライクが4球あった。空振りも1球。ボール球は3球だけ。「キャッチャーのミットを押し込むようなボールを投げる意識を持って、ブルペンでやってきて、マウンドでも同じようにできました」。キャンプ序盤は投手のボールに見慣れない野手が不利ではあるが、差し引いても内容は際立っていた。

1学年下の横浜高出身・浅間とは、湘南高時代に練習試合で対戦経験がある。当時は死球を当ててしまい、この日は「今日は当てないで下さいね」とくぎを刺されたが、東大を経て、プロでも1年間の経験を積んで、成長の跡を見せつけた。完全に抑えこまれた浅間は「本当にいい球でした。低めに伸びていました」。見守った栗山監督も「落ち着いて野球をやるようになった。自分のペースでやれている」と成長を認めた。

昨年のキャンプは腰痛で実戦デビューが遅れたが、今年は早ければチーム初実戦となる9日(日本時間10日)の紅白戦で今季初実戦に臨む。「しっかり結果を出して、ポジション争いをしていきたい。(受けた石川亮から)チェンジアップの高さを注意してほしいと言われました」。課題克服へ、現状認識も即座に実行。次は実戦マウンドでも周囲を唸らせる。

 

<日本ハム宮台の1年目の春季キャンプ>

2軍の沖縄・国頭でキャンプインも、序盤に腰痛を発症。第2クールから別メニューで調整したため、1軍が米アリゾナから帰国後に行われる1、2軍合同の紅白戦も登板できなかった。打撃投手は春季キャンプ後の3月に2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で初実施。姫野を相手に28球を投げ、安打性は4本だった。