バットと言葉でキャプテンシーを発揮した。巨人坂本勇人内野手(30)が、紅白戦で2試合連続の3安打で宮崎キャンプを締めた。

「しっかり振れていますし、この時期から結果が出るのはすごくいいことなのかなと思います。沖縄でも継続して、やっていきたいです」と話した。

バットコントロールの高さを証明した。1回は1死二塁から田口の変化球を中堅にはじき返し、先制打をマーク。3回も田口から中前打を放ち、7回には高田の外角直球を右前に運んだ。打席の中で新たに取り組んでいることは「特にないです」と話したが、コース、球種に応じ、素直に打ち返した。

グラウンドでは、全身で思いを表現した。10日の紅白戦では本塁打を放った岡本をピョンピョン跳ねながら、ハイタッチで出迎え。この日は先制打を放ち、一塁ベース上でベンチに向かって、ガッツポーズを決めた。就任会見で原監督が「のびのび野球」「野球少年のような気持ち」を提唱したが、主将が体現した。

手締めの前にはマイクを握って、決意表明した。練習をサポートしてくれたスタッフ、訪れたファンに感謝の思いを伝えた後に「僕がキャプテンになってから、優勝していません。優勝したいです」と力を込め、スタンドから拍手が起こった。「常に思っていること」と多くを語らずも、優勝こそが思いの全て。坂本がけん引する。【久保賢吾】