野球人生、決着は自分でつける。阪神鳥谷敬内野手(37)が沖縄・宜野座キャンプ休日の13日、遊撃再挑戦の裏にある覚悟を赤裸々に激白した。5年契約最終年となる19年は、間違いなく進退を懸けた1年になる。「白黒はっきりつけたい」-。勝負の1年、退路を断って己との戦いに身を投じる。【取材・構成=佐井陽介】

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宜野座キャンプでは第1クールから若手と変わらないメニューに参加しています。「実績があるベテランなのに葛藤はないの?」と聞かれることもありますが、まったくない。年齢や去年までの成績は、今年ポジションを争う上で一切関係ないと思っているので。

そもそも、マイペース調整を任されていた時も、毎年2月1日には全部のメニューをこなせる状態で入っていました。それがキャンプだと思うので。もちろん、選手それぞれの考え方があるし、年齢も違えばポジションも違う。違うポジションだったら、また違う考え方もあるかもしれない。でも、ショートはすべてのプレーに絡んでくるポジション。チームの動きに合わせて練習する方がいいと、個人的には思っています。

今はポジションの保証がない立場ですが、自信はあります。この3年間はいろいろな選手がショートを守った。その中で確固たるレギュラーの座を手にした選手はいない。一方で、自分はそのポジションを十数年守ってきた経験がある。いい時も悪い時も体が疲れている時も出てきた。グラウンドに立てば結果を残せる、という自信はあります。

そうなると、まずはグラウンドに立つための条件をそろえること。グラウンドに立たないと成績は残せませんからね。出る出ないは自分で判断することじゃない。自分でメンバー表に名前を書くことはできませんからね。とはいっても、自分を良く見せようとして見せられるわけでもない。やってきたことを出して、判断してもらうしかない。

ただ、ライバルとなる選手を意識してやる年齢はとっくに過ぎたと思っています。相手が試合で2本3本ヒットを打ったからオレも打たないといけないと思って打席に立って、いい結果が出るのか。自分のベストを尽くす。できることに集中するだけだと思います。

今、グラウンドに立ち続けたい理由は「家族のため」という気持ちが大きいですね。苦しい時に、悔しさ、つらさを自分以上に共有してくれたのは、やっぱり家族なので。今年も目標は全試合出場です。それをかなえるために生活したい。そして、グラウンドに立っている時に優勝したい。そう強く思って、毎日を大事に過ごしていきます。(阪神タイガース内野手)