原巨人の新リードオフマンは「ナオ」だ。巨人吉川尚輝内野手(24)が17日、DeNAとの練習試合(沖縄セルラースタジアム那覇)に2試合連続で「1番二塁」で出場。2打席連続で中前打を放ち、16日の韓国・サムスン戦から5打席連続安打をマークした。「2番中堅」の丸、「3番遊撃」の坂本勇とともに「ナオマルサカ」が有力なオプションに入った。

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しっかり踏み込み、バットを振った。1回、吉川尚は3-1からの外角直球を中前に運んだ。3回の2打席目も1-0から外角直球を強振。リプレー映像かのように打球が外野の芝生で弾んだ。「まだ始まったばかり」と気を引き締めたが、16日の韓国・サムスン戦から5打席連続安打。3打席目は凡退で連続安打は止まったが、紅白戦を含む実戦は12打数8安打で、1番奪取を猛アピールする。

経験豊富な強打者の存在が、好結果を生んだ。「後ろにすごい選手がいるので、思い切っていける」と自分の後には2番丸、3番坂本勇のタイトルホルダー。四球で強打者の前に走者をためることを嫌がる投手心理を読み、2安打ともに打者有利のカウントから直球をはじき返した。1回には左翼細川の落球で、一塁から一気に三塁に進塁。俊足もアピールし、併殺打の間に先制のホームを踏んだ。

原監督から、この日の巧打とともに評価されたのは実直な姿だった。昨秋の打撃練習中、フォロースルー時に左手を離さず、両手でスイングすることの重要性を指摘され、この春の練習でも継続。同監督から「ずっとしぶとく、かたくなにやっている。やり抜く力、強さがすごくある選手」と褒められた。

昨年は開幕スタメンを奪取し、92試合に出場したが、8月に左手の骨折で戦列を離れた。宮崎キャンプでは腰痛で一時別メニュー調整だったが、11日の紅白戦で実戦復帰以降は走攻守でアピールする。「出遅れたので、しっかりアピールしないと。レギュラー争いを勝ち取れるように」と闘志を込めた。【久保賢吾】