巨人高卒3年目左腕の大江竜聖投手が、「ダブル勝利の方程式」入りへ猛アピールを見せた。8回途中から登板し、1回2/3をパーフェクトに抑えた。今春の実戦3試合で5回2/3を投げ、1人の走者も許さない完璧な投球を積み重ね「自分が持ってる全力は出せていると思います」と胸を張った。

師匠の教えが実り始めた。今オフの自主トレをともにした、西武へ移籍した内海からの「キャッチボールからコントロールを意識しよう」との助言を実践。「去年より右バッターの内角への真っすぐがシュート回転しなくなった」と、この日も最速142キロながら力強い直球を軸に、変化球を決め球に3三振を奪った。

昨季までは先発が主だったが、今季は実戦経験を積むためリリーフでの起用が見込まれる。昨季20敗を喫した救援陣の立て直しへ、宮本投手総合コーチは勝利の方程式を2パターン形成する考えを示している。現状の守護神候補は新加入のライアン・クック投手(31=マリナーズ)と沢村。9回への道筋を作る候補は吉川光、上原、桜井、鍬原、戸根らが挙がっている。

大江の台頭に、宮本コーチは「駒がそろってきたなと。3月中旬くらいまでに、何とか形を」と手応えをつかんだ表情だ。「課題はたくさんある。次の試合も継続できるように、意識したいです」と貪欲な20歳が、貴重なピースとなる。【桑原幹久】