今年も「直撃」します! 日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(49)がソフトバンク選手に迫る「直撃」。今年は逆襲を図るベテラン勢の本音をお届けします。第1弾は今年14年目を迎え背番号5に戻した松田宣浩内野手(35)。昨年スタメン落ちするなど屈辱を経験し、フォーム改造に取り組んでいます。年男のベテラン三塁手は「キャリアハイ」実現に自信を見せていました。【取材・構成=浦田由紀夫】

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浜名 いきなりですが、昨年スタメン外れたことについて、今はどうとらえてる?

松田宣 「えっ?」とか「なんで?」とか思いましたが、年を越してからはそういう時もあるんだなと振り返られました。厳しい世界にいるんだということが再確認できたので良かったと思ってます。

浜名 もう吹っ切れた?

松田宣 自分がしっかり準備と結果を出すための練習をすれば結果は出ると思ってます。その実績は重ねてきたつもりです。13年やってきたことが生かされる。若いときは他の選手と戦うとか、比較とかありましたが、今は自分と勝負している感覚ですね。

浜名 若手については?

松田宣 内川さんとは「2人の壁は常に高くないといけないね」とよく話します。正直負けてないと思ってますし、今年はやってやろうと思ってます。いい練習ができてますし、キャリアハイが狙えると思えるんです。

浜名 特守も積極的にこなしてる。

松田宣 2日に1回はやってます。

浜名 すごいね。この年齢になるときつくなって、キャンプ中に1回やれば十分かなと思うけど?

松田宣 若いときみたいに1、2時間も球を追えませんが、短くても2日に1回お願いします、とコーチに伝えてます。守備力も大事ですし、35歳になって、チームメニューだけやってたら楽です。でも13年間、そんなことは1度もないし、やってきたことは間違ってないと思ってます。

浜名 打撃フォームを改造してるらしいけど。

松田宣 昨年クライマックス(CS)、日本シリーズの反省が一番大きいです。自分の中で打たないといけない思いが強くて、一番やってはいけないスタンスを広くして、どっしり構えてしまってました。足を使えず逆効果でした。今年はスタンスを狭くというか、構えで膝を曲げないようにしてます。(踏み込む)前の足(左足)を大きく使いながら、この時間の中で間合いを取れるように。

浜名 左足の感覚を大事にしたいということ?

松田宣 昨年CS、日本シリーズの全打席を見直しました。重心がめちゃめちゃ低かったんです。ノート見ても「どっしりしたいし打ちたい」と書いてました。

浜名 仕上がり具合は?

松田宣 シート打撃で3本ヒット出て、自分らしい体全体でボールを打てるようになってます。

浜名 打撃練習でもまずは右方向へ。最後は引っ張るというやり方だね。

松田宣 今年は打率を上げるためにヒット数を上げたいんです。どうしてもひっかける打球が好きなので…。練習から右を意識してます。

浜名 三塁手へのこだわりはあるでしょう?

松田宣 本多コーチが三塁線のさばきはいいけど、三遊間については、今宮がいるので任せがちなところがあると。今は三遊間しか練習していない。まずは「取りにいく」そして「飛ぶ」をやってます。ずっとサードを元気でやっていきたいですから。

浜名 背番号5に戻したね。

松田宣 もやもやだったり、ふがいない悔しい経験もした。もう1回見つめ直して、13年前の宮崎キャンプを思い出して…。背番号が人を変えるではないですが、もう1回ルーキーの時のように野球ができれば、36歳になる年でも若々しくできるんではないかと思ってます。

浜名 先を考えれば今年は勝負だね?

松田宣 今年、全試合出場、ゴールデングラブ賞、ベストナインが取れたり、30本打てたら、野球人生が伸びると思います。今年はキャリアハイいけるんじゃないかと思っているんです。

浜名 期待してます。