日刊スポーツはキャンプ期間中「カープ観測」と題し、広島のさまざまなデータを計測し、その強さを探っていきます。

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広島の強さは8-0のスコア以上に室内練習場から見て取れた。田中広、菊池涼、長野、鈴木、松山の5選手は途中交代後のメニューは「フリー」だったが、全員がバットを振った。

中でも鈴木は最長の85分。ティー打撃に始まりトス打撃、マシン打撃と移った。マシン打撃の最後は打席よりも2メートル前に立っていた。いきなり豪快弾を放った主砲は「風ですよ、風」とかわした。追い求める打撃に終着はない。だからこそ、バットを振る。日南1次キャンプで別メニューが続いた理由は、手術明けだけではない。東出打撃コーチは「誠也は打撃技術は群を抜くし、ほっといても振るから」と信頼を寄せる。振り込んできたからこそ生まれた本塁打。鈴木への信頼は高まり、シーズンへの期待も膨らんでいく。