2年ぶり開幕ローテーション入りへ生き残った。日本ハム斎藤佑樹投手(30)が20日、楽天との練習試合(沖縄・金武)に先発し、3回を打者9人、3奪三振無失点。四球で走者は出したが併殺で切り抜け、無安打に抑えた。1次キャンプの米アリゾナで行われた韓国・NC戦でも2回無安打無失点。背水の9年目、決死のアピールが続く。

  ◇    ◇    ◇

球場が沸いた。3回2死、斎藤が渡辺直を空振り三振に打ち取ると、多くのファンが拍手喝采した。1軍生き残りをかけた場で、無安打無失点の好投を見せた。「結果を出したいと思って臨んでいるシーズンなので、もっともっと内容を求めていきたい」。実戦2試合、5イニング連続無失点も、安堵(あんど)はなかった。

マウンド上で、今季にかける覚悟を示した。初回2死で迎えたのは、昨季リーグ打点王の浅村。初球は直球で真っ向勝負。続く変化球で追い込むと、「四球とかで逃げてしまうと全く勝負出来ない」。スライダーで3球勝負。空振り三振に仕留めた。今オフはインナーマッスルの強化と柔軟性の向上に重点を置いた。「シーズン中はあんなにうまくいかないと思う」と言うが、直球でファウルを奪い、変化球を振らせる組み立てが確立されている。

早大の同期・楽天福井と同じ試合でマウンドに上がった。「お互い立場はわかっていると思いますし、相手のことを心配している余裕もない。頑張らなくちゃいけないというのは、お互いに感じてますね」。試合前には言葉も交わし、刺激し合った。

年間通してローテの一角を担ったのは、11年と開幕投手を務めた12年のみ。栗山監督は「覚悟してやり続けてくれている。うちの他の先発投手と勝負している」。鬼気迫る斎藤の姿に、復活を期待している。【山崎純一】