黄金新人が守備で魅せた! 広島ドラフト1位小園海斗内野手(18=報徳学園)が21日、途中出場した阪神との練習試合の6回1死満塁で、阪神北條の三遊間への難しい打球を好捕し、華麗な身のこなしで併殺を完成させた。ファンだけでなく、大絶賛の緒方監督も他球団007もびっくり。ワンプレーで、その才能と可能性の大きさを示した。

  ◇  ◇  ◇

高い身体能力と守備センスが凝縮されたプレーだった。6回1死満塁で阪神北條の三遊間へ飛んだ痛烈な打球に、小園は軽やかに回り込み、ハーフバウンドの打球にグラブを合わせた。捕球すると両膝をついたまま流れるように二塁へ送り、小園のプレーを起点に「6-4-3」の併殺が完成。好守でピンチを切り抜けた18歳は、笑顔ではねるように一塁ベンチへ駆けた。

小園 絶対に取ってやろうと思った。何が何でも。死に物狂いだった。ゲッツーに取れたので貢献できたかなと思う。

4回から遊撃に入った。対外試合2試合目の出場。相手は、初めて日本のプロ野球球団であり、地元球団でもある阪神だった。ただ、強心臓の18歳は冷静だった。迎えた6回。「(カウント)0-2だったので打ってくると思った。しっかりと準備ができていたので、いい反応ができた」。逆シングルではなく、回り込んで正面で捕ることを選択。二塁送球までもイメージできていた。「ゲッツーを取れると思っていた。(送球まで)何とか粘り切りました」。描いた通りに体が動いた。

18歳の美しい守備に、緒方監督も賛辞を惜しまなかった。「ナイスプレー。すごくいいプレーだった。驚かされたよ。ビッグプレーだった」。広島にいいところが少ない試合で最年少が見せたプレーに目を丸くした。中日鈴木スコアラーも「球際の強さが出た。なかなか併殺を取るのは難しい。捕ってからも速かった」と驚いた様子。打球に対して前にはねるように1歩目が出るのは「天性のもの」と以前から首脳陣は認めていた。打撃は左飛、三ゴロに倒れ、対外試合2試合で5打席連続無安打となった。高卒新人に与えられる出場機会は徐々に減っていくため、キャンプ終了後の1軍同行は厳しい立場にある。それでも、才能と可能性を示している黄金新人に、周囲の期待は高まっていく一方だ。【前原淳】