コンディション不良で2軍調整となっていた楽天則本昂大投手(28)が11日に都内で右肘のクリーニング手術を受ける。8日に球団が発表した。全治などは術後に明らかとなる見込みだが、一般的なケースと照らし合わせれば、前半戦の復帰は絶望的とみられる。2枚看板を形成する岸孝之投手(34)は阪神とのオープン戦で今季2度目の実戦マウンドへ上がり、5回2安打1失点。移籍後初の開幕投手へ順調な調整を重ねる右腕を中心に、総力を結集してエース不在をカバーする。

岸は、言葉を選びながら口を開いた。「ノリが一番悔しいでしょうから。僕1人で(全て)何とかはできない。投手陣でノリが帰ってくるまで戦う」。ともにチームをけん引してきた右腕の胸中を思い、重ねて決意を示す。「チームとしては痛すぎると思うけど、それを言ってもしょうがない。焦らず、早く戻ってきてほしい。戻ってきた時、あいつが無理をしなくてもいいような成績なり、順位なりを残しておくのがベスト。そこはみんなで頑張っていくしかない」と言った。

開幕に向けた自らの調整は盤石だ。何度かあったボール先行の場面でも、あらゆる球種で苦もなくストライクを稼げる制球は秀逸。ほぼ直球とカーブのみだった前回登板に対し、全球種を試し「真っすぐは良かった。カーブも良かった。スライダーも意外と良かった。チェンジアップだけ、イマイチ」と冷静に評した。