楽天辛島航投手(28)が、開幕ローテをしっかりと引き寄せた。12日に静岡で行われたDeNAとのオープン戦に先発し、4回1安打無失点で4奪三振。三塁すら踏ませぬ60球にも「今やっていることが、全然できなかった。もう少し内容のある試合にしたかった」。いつも通りの淡々とした口ぶりながら、はっきりと不満をにじませた。

ギリギリまで我慢して打者に胸を見せず、一気に回転して力を伝えるフォーム改良に取り組んできた。「変化球は散々投げてきて、ある程度ごまかしながらでも(手先でコントロール)できる。基本である真っすぐを、どう良くしていくか」。緩急自在の投球に一段と磨きをかけるべく、積年のテーマと正面から向き合っている。

平石監督は「辛島は(開幕ローテへ)前進した」と評価。同い年で一緒に自主トレも行う則本昂が前日11日に右肘のクリーニング手術を受け、前半戦の復帰が絶望的となっている。「ノリが万全で帰ってくるまで、今いる選手で戦っていくしかない。今がピークではダメ。もっと内容を求めてやっていく」。先発陣の中核を担う自覚があふれた。【亀山泰宏】