東邦ガスはルーキー辻本宙夢投手(22=駒大)が1失点で完投して今大会初勝利を挙げた。

完封を目前にした9回、3安打で1点を失い、なおも1死一、三塁のピンチだった。ここで次打者を二塁併殺打に仕留め、かろうじて逃げきった。「逆転されると思った。だんだんボールが中に入ってしまって」。辻本が振り返った。

当初は11日の初戦(対セガサミー=岩槻川通)に先発予定だった。それが雨で順延され、この日の神宮にずれ込んだ。昨年、春秋通算8勝を挙げたなつかしの球場。もっとも学生最後となった昨秋、優勝決定戦に先発し、5回で降板。優勝を逃した。「悔しいところでもあります」と話した。

そんな場所で社会人デビューし、公式戦初勝利を挙げた。「今日勝っても決勝トーナメントはなかったですから。都市対抗みたいに負けられない試合でどう投げるかです」。喜びは見せず、先を見据えていた。