初の開幕1軍どころか「1番三塁」での開幕スタメンも見えてきた。日本ハム浅間大基外野手(22)が、巨人とのオープン戦(山日YBS)に「1番三塁」で出場。

4打席で適時打を含む二塁打2本を放った。スピードと積極性が売りの打撃は好調で、今季から挑戦中の三塁守備にも日々自信を付けている。本職の外野守備も万全。昨季まで腰痛に苦しんだ逸材が、万全のコンディションで一気に開花の予感だ。

   ◇   ◇   ◇

初球の甘い直球を、迷わず振り抜いた。3回無死一塁。浅間が放った打球は、あっという間に左中間を破った。俊足の一塁走者・中島が悠々と生還する適時二塁打とした。5回はカウント2-1から、ファーストスイングでスライダーを捉えて中堅フェンス直撃の二塁打。「2本は球種は違ったけど、つかまった打球だった。理想的な打撃でした」。ともに一振りで仕留めた納得の内容だった。

今季から本格的に取り組む三塁守備も軽快だ。2回は巨人の快足・吉川尚のセーフティー気味の送りバントにもきっちり反応。猛ダッシュして一塁送球も完璧だった。近藤や大田と練習中も競い合うようにノックを受け続けている。「経験が浅いので、試合の中で打球をさばいて、小さな自信をつけていきたい」。選手としての幅が、確実に広がった。

初の開幕1軍はほぼ確実で、開幕スタメンの可能性も広がっている。昨季までは腰痛に苦しんだ。16、17年は米アリゾナキャンプ中に発症。現地の硬い地面から受ける衝撃に体が持たなかった。17年オフには手術。その影響で昨季も開幕は出遅れたが、抱えていた爆弾を取り除いたことで、今春のアリゾナキャンプはフルメニューを消化し、追い込める肉体を手に入れた。

オープン戦では6試合で1番打者を務めている。「1番としては出塁率が、まだまだ低い。もっと四球を取れたりするのが理想」と話すが、この日のように積極的な姿勢はチームの攻撃にもリズムを与える。栗山監督も「本当にサードもうまくなっている。打撃の状態もいい。いろんなところで大基も何とかしようというのは伝わっている」と高評価している。29日の開幕戦、オリックスの開幕投手は右腕の山岡。難敵を打ち崩す切り込み隊長として、浅間が「1番三塁」で抜てきされる可能性は十分ある。【木下大輔】

 

<日本ハムの三塁&左翼事情>

三塁は14年に70試合守った実績がある近藤が、浅間とともに候補。近藤はDHに入るケースも想定される。また相手投手によっては、右打者の横尾の名前も挙がる。大田も練習を継続しているが、オープン戦では右翼か中堅でのスタメン出場が続いている。左翼は期待の新戦力、王柏融が本命。故障離脱した清宮が1軍復帰するまでは、王柏融がDHの時に浅間や杉谷が候補となってくる。