阪神の「第6の男」は決まらなかった。

試合後の矢野燿大監督(50)は悩ましげな表情を浮かべた。「今の今で、今日で決められる感じじゃない。ちょっと考えたり、相談したりする感じになると思う」。先発ローテは「3・29」の開幕ヤクルト戦から順番にメッセンジャー、岩貞、西、ガルシア、青柳までが確定。ラスト1枠を巡ってロッテ戦が決戦の舞台とみられたが、結論は持ち越された。

風が吹き荒れるマリンで激しく火花が散った。先発馬場は4回3安打2失点。初回に角中の左犠飛、レアードの左前適時打で2点を失った。ただ、2回以降は立ち直りゼロ行進。「ゆったりと止まるくらいのイメージで、投げ急がずにいきました」と修正能力を見せた。2番手浜地も「アバウトでも強い球をという意識で投げた」と、直球で押し込み2回無安打無失点。1歩も引かずのアピール合戦だ。

20日のウエスタン・リーグ中日戦では、昨秋の右膝手術から復活を期す秋山が5回無失点と好投。最後の椅子を巡って激しい争いが続く。豊富な投手力を誇るチームだからこその悩み。うれしい悲鳴とも言える状況に、矢野監督は「(馬場、浜地は)どういう使い方が、チームにとってもいいのか。ちょっと考えたいという感じ」と、ロングリリーフでの起用も含めて熟考する。【桝井聡】