渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆(92)が25日、都内で行われた財界人を中心とした有志で構成する「燦燦会」総会に出席し、長嶋茂雄終身名誉監督(83)の優勝祝賀会参加を熱望した。昨年7月に胆石のため入院したミスターは欠席。

同主筆は「今年は長嶋君がいないけど、優勝してくれたら私は長嶋君をおんぶして連れてきますよ。彼は僕よりも若いし不屈な精神力を持っている。必ず戻ってくる。目的は勝つことしかない」と5年ぶりの優勝を厳命した。

昨年8月中旬に頸椎(けいつい)の一部を骨折して入院したが、壇上のイスに座り、予定の5分を大幅に超えて11分以上語り続けた。「テーブルと椅子を用意したのは『渡辺はもうろくして立てないだろう』と司会者が思ったに違いない」と口火を切ると「ある週刊誌は『渡辺恒雄逝く』と書いた。どういう意味か前後の文章の脈絡を見たら『渡辺恒雄が死んだ』という意味だった。ところが死んでいないもんだから、どう訂正するか注目していたら『危篤だった』と書いてあった。危篤で死にかけたから死んだと書いたと弁解したらしい」とまくし立てた。

チームへの熱意は衰えず、セでは広島に次いで2位だったオープン戦の成績もチェック。「広島とか横浜とか、かつては弱い球団と言われていた。最も古い球団、優勝回数が最も多い巨人軍がここのところ足踏みをしている」と指摘。「私も実は92歳か93歳。この年になると1年ぐらい間違えるものです。誕生日も忘れてしまったが、いつかくると思う。その時に年はいくつかはっきりするでしょう。まあ、年はどうでもいい」と言ってから「実績的に見れば、原君は王さん、長嶋さんに劣らない。今回は3度目の監督で、また10年ぐらい監督をやるそうですから、その間、連勝に次ぐ連勝で見事な戦いを見せていただけると思います」と長期政権を期待した。