故郷で原点回帰を目指す。DeNAから交換トレードで楽天に移籍した熊原健人投手(25)が27日、楽天生命パークで入団会見を行った。

背番号は59に決まった。ユニホームに袖を通すと自然と笑みがこぼれた。「地元球団にトレードで行くと思っていなかった。地元に帰ってこられたと特別な思いがある」とかみしめた。宮城・角田市出身、柴田から仙台大と生粋の「宮城っ子」。小さい頃から憧れた地元球団への加入に「生まれも育ちも宮城で、縁を感じた」と話す。

慣れ親しんだ場所で輝きを取り戻す。グラブを顔の前まで振りかぶり、大きく足を上げるスタイルで「神主投法」として大学時代から注目を集め、ルーキーイヤーの16年に初勝利。17年には3勝を挙げた。しかし昨季は制球難に苦しみ、セットポジションで投げ続けるなど持ち味のダイナミックさが失われていた。今季は「一番良い球を投げられるフォームがいい。キャッチボールの中から徐々に戻したりしています」と回帰を模索中。剛球復活への“祈り”をマウンドで結実させる。

豪快さとともに、打者に挑む闘争心も呼び覚ます。平石洋介監督からは直球だけでなくチェンジアップの評価を受けた。打者のタイミングを大きく外し「パ・リーグのバッターは長打が多い。スイングが強い印象で、真っすぐ1本でなくバッターを抑えるボールになるのかなと思う」と決め球として磨きをかけていく。

まずは2軍に合流し、1軍先発ローテ入りを目指して調整する予定。「先発の5枚目、6枚目を争えるように取り組んでいきたい」と親しみのある新天地で力を見せる。

◆熊原健人(くまばら・けんと)1993年(平5)10月19日、宮城県生まれ。柴田高、仙台大をへて、15年ドラフト2位でDeNA入り。仙台大から初のプロ野球選手に。178センチ、85キロ。右投げ左打ち。推定年俸1000万円。家族は両親と兄と姉。父は神社の宮司。