7番ショートで今季初スタメンの楽天藤田一也内野手(36)が、打っては3安打猛打賞、守っては8度の守備機会をノーミスでこなし、チームの4連勝に貢献した。浅村栄斗内野手(28)の加入で今季は、これまでのセカンドからショートに転向したベテランが、本拠地2戦目で安定した存在感を示した。

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藤田がプレーをする度に沸き起こる一際大きな歓声が、その存在感の大きさを象徴していた。移籍後初登板の福井が、1回表に1死満塁といきなりのピンチ。迎えた5番・王が遊ゴロを放つと華麗にさばき、初コンビの二塁・浅村との好連係で併殺を完成させた。7回表1死では西川のセンターへ抜けそうな打球に追いつき、体をクルリ1回転させて一塁に送球。計8回の守備機会を完璧にこなし投手陣を支えた。

平石監督は「今日は一也ですよ。本当に投手を助けてくれた」と絶賛。2日に死球を受けたブラッシュが欠場。DHにウィーラーが入り、ショートの茂木が三塁に回ったことで出番が訪れた。「いっぱい飛んできたけど集中してできた。できすぎですと書いておいて下さい!」と謙遜したが、頼りになる男は今年も健在だった。

過去に二塁手で3度ゴールデングラブ賞に輝いた名手も、浅村の加入でショート転向を余儀なくされた。「残りあと何年できるかわからない。13年の優勝を経験している身としては、もう1回日本一を味わいたい気持ちが強い。(浅村が)楽天を選んで来てくれたことは本当にうれしかった。自分は苦しくなるけど、どう考えてもチーム力が上がるんですから」大歓迎した。「不安もありましたが早い時期に使ってもらって何とか結果を出せた。これから、どんどん自信をつけていきたい」と36歳にして、なお進化を求めるベテランが、楽天の快進撃を支えている。【野上伸悟】