ソフトボール女子日本代表の上野由岐子投手(36)と我妻悠香捕手(24=ビックカメラ高崎)が4日、東京ドームで、プロ野球巨人-阪神戦の始球式を行った。6月に行われる日米対抗ソフトボール(22、23日シェルコムせんだい、25日東京ドーム)のPRを兼ねたもので、大観衆の中、マウンド上で仁王立ちした上野は、我妻のミットめがけて、ど真ん中に直球を投げ込んだ。

全力ではなかったが、打席に立った阪神上本はのけぞるように空振り。球速は出なかったものの、我妻のミットに収まったバシッという大きな音に球場がどよめいた。堂々たる始球式を披露したが、無事に終わると2人とも「緊張しました」とホッとした表情。広い球場でインパクトのある投球をしようと考えていた上野は「少しでもソフトボールを知ってもらって、見に来ようかなと思ってもらえたら。たくさんの観客の前で投げられて、またここに戻って来たいと思えるようないい刺激をもらった」と話した。

女子日本代表は2月にオーストラリア、米国でみっちり合宿を行った。毎日のように練習試合を行い、技術面を強化し、経験を積んだ。5月にはアジアカップ(1日開幕、インドネシア)も控え、代表の戦いが熱を帯びてくる。

昨夏の世界選手権では、最大のライバル米国と激闘の末、決勝で敗れ銀メダルに終わった。東京五輪までお互いしのぎを削る戦いが続く。上野は「今まで以上に注目され、結果も求められると思う。昨年負けているので(日米対抗)でリベンジしたい」と意欲を燃やす。

13日からはリーグ戦も開幕。国内で試合をこなしながら、世界と戦うため、個々の力を上げていく。上野は「勝負の年になるので、しっかりアピールして戦っていく」と話し、我妻も「日米対抗に向け、新しいものを出していけるように力をつけたい」と意気込みを語った。日本を引っ張るエースと若き司令塔の2人にとって大事な1年がいよいよスタートする。【松熊洋介】