プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグが6日、開幕する。新潟アルビレックスBCは福島ホープスとホームのハードオフ新潟で対戦し今季のスタートを切る。入団9年目のベテラン足立尚也内野手(30)が個人タイトル獲得と7年ぶりの独立リーグ日本一を目標にシーズンを迎える。オフを通じて図ってきた打撃力向上を形にし、チームをけん引する。

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コンパクトなスイングから鋭い打球を次々と放つ。開幕を控えた練習の中、打撃ゲージに入った足立は順調な仕上がりをアピールした。「開幕はいつも楽しみ。いいスタートを切りたい」と笑顔を見せる。

「ベストナイン、首位打者が個人目標。チームとしてはプレーオフ進出」とテーマを明言する。昨季の打点は、DeNAにドラフト6位で入団した知野直人内野手(20)40打点に次ぐ、チーム2位の37打点。打率3割4厘はチーム3位。安定した成績を残し続けて入団9年目を迎えた。

オフにはそれぞれの関節の可動域を広げるトレーニングに取り組んできだ。「力負けしないで、強い打球を打てるように」。毎年、パワーアップを課題にオフの自主トレを積んでいるが、今年は柔軟性を高めることを意識した。

リーグ屈指の打撃の職人だ。昨季放った81安打のうち65本が単打。野手の間を抜く打球はいつでも打てる。「でも、それだけでは通用しない。追い込まれたらそれでいいが、早いカウントでは、きっちり力で持っていけるようにしないと」。意識するのはプロの視線。ドラフト指名は常に意識の土台にある。勝負強さとうまさ、そこに力強さを加える努力を続けてきた。

新潟は12年に独立リーグの日本一になった。それを知っている選手は入団13年目の稲葉大樹野手兼任コーチ(34)と足立の2人になった。ここ3年間はプレーオフ進出を逃している。「優勝を味わいたいし、後輩たちにも経験してもらいたい」。自らの実力をアップをチームへの貢献につなげ、目標達成に近づく。【斎藤慎一郎】

◆足立尚也(あだち・なおや)1988年(昭63)10月21日生まれ、神奈川県出身。横浜商大高から桜美林大に進み、4年時に副主将を務める。11年にBC新潟に入団。13年にベストナインに選出される。180センチ、80キロ。右投げ左打ち。背番号8。