ガルシアの後釜が結果を出した。中日の新外国人エンニー・ロメロ投手(28)が来日初登板で勝利を挙げた。リーグ3連覇中の広島打線から5三振を奪い、6回を散発3安打無失点と堂々の内容だ。

走者がいなくてもセットポジションを続けた。初回2死から野間に初の安打を許しても、けん制球でくぎ付け。相手の機動力に対抗した。オープン戦などでクイックモーションに難点があると指摘されたが、開幕までにきっちり修正。得点圏に走者を置いた5回と6回もリズムは崩れず後続を抑え、マウンドを譲った。

援護弾の福田、京田とともに上がったお立ち台では「クイックはずっと練習してきた。考えすぎず1人1人に集中して投げられた。うれしいよ」と笑みを振りまいた。最速164キロの触れ込みながらこの日は154キロどまり。「前回の登板で速い球を投げようとしてフォームを崩した。速さを求めずストライクをとることを優先した」。速度より精度を重視するクレバーな一面ものぞかせた。ウイニングボールはドミニカ共和国にいる母にささげる。「日付、サイン、イニング数、0点と書いて送るよ」と白い歯を見せた。

昨季、投手陣の勝ち頭、13勝を挙げたガルシアが阪神に移籍。代役として前監督の森シニアディレクターが獲得してきたのが、同じ左腕のロメロだった。初登板での好投に与田監督も目を細める。「ガルシアどうこうは考えていない。戦力の1人としてドミニカから助っ人が来てくれた。1つでも多く勝たせるのが僕の仕事だと思う」。開幕カードは負け越したが、広島相手に勝ち越し、勝率5割に戻した。先発ローテ6番手のロメロを足がかりに3年ぶりの貯金を狙う。【伊東大介】

◆エンニー・ロメロ 1991年1月24日生まれ、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身。08年にレイズと契約し、13年にメジャー初登板。ナショナルズ、パイレーツ、ロイヤルズに在籍。メジャー実働5年間で137試合に登板し4勝6敗、防御率5・12。今季から中日。190センチ、103キロ。左投げ右打ち。