楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22)が自慢の強肩を発動した。

オリックスに29イニングぶりの得点となる2点の先制を許した4回。

1死二、三塁から定位置より少し前に出てマレーロの右飛をつかむと、本塁へ矢のようなワンバウンド返球。タッチアップを狙った三塁走者の吉田正の生還を阻止し、プロ初補殺を記録した。同学年の先発安楽も何度もグラブをたたいて感謝するビッグプレーだった。

それでも試合後は「ラインだけは外さないようにしましたけど、球も浮いていたし、(自分としては)全然です」。表情が硬いままだった何よりの理由は、自身もオリックス山岡の前に3打数無安打と沈黙した打撃面にある。チームの連勝も5で止まり「(好返球の)流れに乗って打ちたかった。いい投手を、身をもって感じることができた。1つ(打つべき相手の)目標ができた。打てなかったこと、チームが勝てなかったことが本当に悔しい」。エース級との対戦を糧とすることを誓い、試合後も居残りでバットを握った。