日本ハムの新投手起用「ショート・スターター」は、またも実らなかった。

ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)は、先発した加藤貴之投手(26)が、打者2巡目となる4回に一挙5失点。第2先発として準備していた金子弌大投手(35)と2人で1試合を乗り切るプランが崩れて、3カードぶりの勝ち越しを逃した。連投していたリリーフ陣を休ませることはできたが、借金2に逆戻り。12日からは開幕カード以来の本拠地・札幌ドーム(対ロッテ)で仕切りなおす。

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今季は未踏だった4回に突入した加藤が、ソフトバンク打線につかまった。「連打を食らったところで、自分でリズムを崩してしまった。自分の責任です」。1死から内川に内野安打で出塁を許すと、続くデスパイネの打球は左すねに直撃(強襲安打)。その後、2死満塁から上林に2点適時打を献上するなど、結果的に3回2/3を5安打5失点と試合をつくれなかった。

苦境を打破することができなかった。栗山監督は試合後「今日は、ある程度、イニングの割り振りはしていた。行ける人、行けない人がはっきりしていた」と、この日の投手起用プランを明かした。2試合連続延長戦の影響で、連投中のリリーフ陣が5人(宮西、浦野、秋吉、玉井、堀)もいた。長いシーズンを見据えて3連投は避けたかった。

ここまで「ショート・スターター」として2試合無失点だった加藤と、第2先発の金子の2人で1試合を乗り切ることがベストのシナリオだったもよう。だが初めて打者2巡目と対戦した加藤が、つかまった。栗山監督は「あの回(4回)は行ってほしかった。今は全て、こっちがのみ込んで我慢しないといけない時期」。結果は受け止めるしかない。12日からはロッテと札幌ドームで3連戦。勢いよく勝ち越した開幕カード以来の本拠地から巻き返す。【木下大輔】