巨人のキャプテンが天敵の白星街道を止めた。坂本勇人内野手(30)が、決勝の3号ソロ本塁打を含む2安打2打点の活躍。坂本勇を中心に岡本、亀井、阿部がエース菅野を援護し、レギュラーシーズンでは16年4月30日から8連敗中だったヤクルト小川を攻略した。ヤクルトに快勝し首位に再浮上した。

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手の感触でスタンドインを確信した。坂本勇は一瞬、打球が飛んだ左翼方向を見て、ゆっくりと走りだした。「気持ち良かったです。完璧でした」。左翼席上段に飛び込む決勝の3号ソロを放ち、5回1死二塁では左翼フェンス直撃の適時二塁打。レギュラーシーズン8連敗中だったヤクルト小川を沈めた。

坂本勇 年が変われば変化はあります。今年初対戦で攻略できたことは、いいことだったと思います。

1年前の自分から変化していた。昨季、過去最高の打率3割4分5厘をマーク。打撃フォームが完成したかに見えたが、今年も修正を加えた。「小さくなりすぎないように」と左足の上げ方を大きめに改良。タイミングの取り方を変え、打率4割5厘でリーグトップに君臨する。

振り返れば変化の連続だった。レギュラーを奪った08年オフ、打率2割5分7厘、8本塁打に終わった打撃を向上させるため、当時の右打ちでトップ選手だった西武中島(現巨人)、横浜多村を参考にグリップの位置を上げるフォームに大幅改造。翌年、打率3割6厘、18本塁打と飛躍した。

坂本勇 よりいいものを目指して。いろんなことを試しながら、ベストの形は何かを探しています。

今季、新たな打順となる2番を託した原監督も「素晴らしい。私が監督をやっていた時より、はるかにパワフルになっていますね」と変化に舌を巻いた。坂本勇は「3連戦は初戦が一番大事なので、取れたことは大きいです。明日がまた大事なので頑張っていきたいです」と気を引き締めた。キャプテンは日々「変化」する。【久保賢吾】